男女差

たとえば 、人の目は 、光の三原色に対応する三種類の色覚細胞を持っていて 、 R G B (赤 、緑 、青 )の三色の組合せで 、すべての色を識別する 。 … …とされているのだが 、女性の一部には 、四種類の色覚細胞の持ち主がいる 。遺伝学上の理論値で言えば 、少なくとも七パ ーセントの女性に発現する可能性があり 、実際には約半数の女性がそうだとも言われている 。四原色色覚者は 、三原色で言う赤の領域に当たる光を二種類に分別する 。色合いで言うと紫の領域に当たり 、三原色色覚者に見えない 「紫色 」が見える。
つまり 、女性の約半数は 、男子に見えない色が見えるし 、ピンクから紫へのグラデ ーションに対して繊細だということだ 。このおかげで 、物言わぬ赤ん坊の顔色の変化を針の先ほども見逃さず 、食べ物の腐り具合を見分ける 。
中略
これが 、色だけに限られるわけがない 。音の認知周波数帯も違うし 、嗅覚の感度も 、味覚の感度も 、皮膚の触感の感度も違う 。女性脳は 、生来の感度が高い 。生殖リスクが高い哺乳類のメスとして 、生殖相手を厳選しなければいけないし 、一生涯に生み出せる個体数も少ないので 、育児にぬかるわけにはいかないからだ 。特に 、二十代半ばの女性は 、想像を絶する感度にまでなる 。たとえば 、コンピュ ータ ・メ ーカ ーの工場では 、髪の毛の七分の一の細さの光ファイバ ーの接続作業は二十代の女性にしかできないというし 、消費者センタ ーの味覚テスタ ーも 、昔は 「二十五歳以下の未婚女性 」と決まっていたそうだ 。
出典 キレる女 懲りない男 ──男と女の脳科学 (ちくま新書)
黒川伊保子